「石の花」

 パソコンはNEC98とかIBM5550とか、40年以上前から、仕事や

趣味で使い、長いつきあいだが、個人的な交信ができるツイッターとか

フェースブックとかラインとかには用も無いし、関心も無かった。

 

 然し、元々、新しいもの好きだったのと、やりたいことを一通りやって、

やることが無くなったせいもあって、重い腰をあげて、昨年末、80才で

ツイッターフェースブックに登録した。 交信を始めた相手が親切に

マナーとか利用方法を教えてくれた。 そして、間もなく、ブログにも

進出、拙文を投稿するにいたり、早くも半年が過ぎた。

 

 小説が好きで、若い時から、自分も死ぬまでに、一作だけで良いから、

満足がいくものを書きたいという夢があった。 仕事や趣味で時間を

取られて遠ざかっていた読書の世界に戻った。 ツイッターのホームは

これから作家になりたい、有望作家の卵を見つけよう、という混沌とした

渦が渦巻いている。 自分はまだその渦の外にいるが、何が出来るか、

模索している。

 

 以前は無関心だった、書店、図書館、広告などに目が向くようになり、

若い時と違い、じっくり作品を読むようになった。 漫画、アニメ、映画

なども、まるっきり無縁ではなかったので、ある程度注意を払っている。

 

 最近の活字を連ねた作品は異世界もの、ファンタジーもの、いわゆる、

ラノベが闊歩している。 現実世界から逃避して、別世界で生きる主人公

たちの物語りである。 

 

 時代が明らかに変わったのだから、仕方が無いが、自分は古い時代の

人間だから、今のラノベ作品には飛び込めない。 然し、ラノベと云っても

ファンタジーは物語の基本路線であり、何時の時代にも書かれ、読まれる

筈である。

 

 そこで、突然思いだしたのが、旧ソ連製の映画「石の花」である。

第二次世界大戦が終わり、焼け野原の東京で、というより、日本で初めて

上映された「天然色」の映画である。旧ソ連は旧西ドイツのアグファ社の

極彩色技術を使い、カラー映画を作り始め、これが第二作だったという。 

私は東京都が日比谷公会堂で試演した際、運よく抽選に当たり、日本初の

カラー映画を観るという栄与に浴したのである。

 

 色彩が美しかったことしか覚えておらず、今回インターネットで物語を

復習した。 若い優秀な石工ダニーラ、彼と結婚したばかりの娘カーチャ

が主人公。 生きている「石の花」がある銅山の女王は、ダニーラに「石の

花」は一年に一度しか咲かないと誘い出し、ダニーラはカーチャを置いて

山に入る。 女王はダニーラに横恋慕しており、ダニーラが云うことを

聞かないので、放さない。 カーチャは待ちきれず山にダニーラを探しに

行く。 女王は二人の強い愛に負けて、カーチャに秘宝を与えて二人を

山から解放する。 めでたしめでたし、というウクライナ地方の民話を

もとに作った名画とのこと。 今観ても十分楽しめると解説者は云っている。

 

 1946年制作、日本公開は多分5年後位。 ということは、65年位

前だから、知らない人が多いと思い、記事にしてみた。

 

 (PS) このブログを投稿した後で、出来るものなら、もう一度この映画を

観たいと思って調べたら中古で¥1800の出物があった。

即座に注文したので、見たら又ブログするかも知れない。