あめりか うまいもの

 2017年エイプリルフールには何か気の利いたことを書き残したいと

思いましたが、今までアメリカでの食べ物のことを書いてなかったので

思いつくままに書いておきます。

 

 主に30才直前の家族を日本に残しての単身赴任の頃の話です。

というと、約50年前になります。主に駐在したニューヨークの

ダウンタウン地区での話。 単身赴任というのは、残した家族に

日本での給与の6割が支給され、本人の現地手当は贅沢が出来る

程は支給されません。 だから、安上がりで旨いチャイナタウン

に4~5人でタクシーを相乗りして行きました。 慣れた人間が注文

しますが、料理の種類は人数引く1皿と決まっていました。どうせ、

ビールの小瓶を飲むので、これで丁度良いのです。アメリカの料理は

大したものはありませんから、日本人には中華料理が無難でした。

 

 一度普通の飯屋でワンダラー・ステーキというのを注文したら靴底

みたいな噛めないステーキに遭遇し、それ以来ステーキは嫌いに

なりました。ついでだから、ステーキの話を二つしておきましょう。

 

 マンハッタンで懲りて以来避けていましたが、勤務地がニュージャー

ジーのフィラデルフィアよりの土地に建てた倉庫兼事務所に変わった

とき、現地人スタッフはステーキを食べるので、試しに食べたら、

なんと凄くうまいのです。要するに、レストラン次第だったわけです。

 

 今は、牛肉の最高の等級がAー5であることも知っていますし、味が

評判の店を選ばなければいけないことも知りました。

 

 次は、大分後になって、ロッキー山脈の麓のコロラド州デンバー市に

駐在した時、北のワイオミング州の客先に行った時、ランチをご馳走に

なった訳ですが、そのころは、ステーキも通になっていて、フィレ・

ミニョンのレアと注文したら、材料が品切れとのこと。どうしようか

考えていたら、お客が「リーバイ」もフィレ・ミニョンと同じくらい

旨いと教えてくれました。何だ、それはと聞いたら、「リーバイ」は

「リブ・アイ」、つまり、あばらの骨と骨の間の肉、ということでした。

試しにオーダーしました。ところが、これが旨いのなんの。それ以来、

或る程度高級な感じのレストランに行くと、「リーバイ」を頼む

のですがお目にかかれません。 多分、その部位の肉は希少なので

しょうね。田舎だからお目にかかれた幸運だったのかもしれません。

 

 ニューヨークのダウンタウンに戻ります。 簡単な昼食は外の

テイクアウトの店で、「ヒーロー」サンドイッチ(米語ではサミッジ

と発音します)とコーラのLサイズを買って来て机で食べました。

種類はいくつかありましたが、先輩に勧められて食べた、牛肉の薄切り

とオニオンを鉄板で炒め、ヒーローの中の白いパンの部分をえぐりだし、

そこへ目いっぱい詰めると、肉汁がヒーローに滲みて堅かった皮が

柔らかくなって、何とも言えないおいしさでした。

 

 良く行ったのがイタリアンですが、「ビール・カツレツ」というのが

うまくて、その店に行ったら必ず食べていました。「ビール」という

のはアルコールとは関係なく、「仔牛」という意味です。当然柔らかく、

あっさり味でカツに揚げると良い味になるのです。

 

 日本レストランが1軒あって、ここで旨いものを見つけました。

それは、まぐろの刺身定食ですが、量が多いのです。そしたら、先輩が

半分は「まぐ茶」にして食べるとおいしいよと教えてくれました。

またもや、何だそれはです。 これは、関西風らしく、どんぶりご飯の

上にまぐろの切り身をのせ、わさびをそえて熱いお茶をかけたお茶漬け

なのです。 これがまたおいしくて癖になりました。

 

 下の写真はマンハッタンのダウンタウンにあるバッテリー・パークで、

ある正月に全社員で記念撮影したものです。後ろが有名なウオール街です。

貿易センタービルが出来る7~8年前のことでした。

 

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