パリの鳩料理で悔しかったこと
大昔パリに仕事で行った時のこと。
初めて訪問した大手メーカーの輸出担当課長が
夕食をご馳走してくれた。
高級とは見えないレストランだったが、実は有名
レストランだったかもしれない。
メニューは幸い英語がでていた。
フレンチと言えばコースの筈だがこの店は
一品料理だけのようだった。
折角だから一番高い値段の料理を選ぼうと
探すとビーフステーキとピジョンであった。
フランス人がピジョンを食べるという話は
どこかで読んで知っていた。
ビーフステーキはアメリカで食べつけているし
云ったら、グリルかボイル(多分)かと聞かれ、
鳥なら矢張り焼き鳥だろうと思い、グリルにした。
ところがである、食べかけたら臭みが強くて
食べられないのである。
日本では田舎で暮らした時に、鶏はお祝いがあると
鳥めしにして食べたし、兎も焼くと鶏と同じ味だった。
山羊は臭かったが食べられないことはなかった。
カエルの脚だって炙って塩をかけるとおいしかった。
ざりがにも塩ゆでして尾の方を食べた。さらに、
イナゴも蒸して砂糖醤油をからめると美味であった。
実は、蛇も種類によっては、たれをつけて焼くと
結構旨い。
というわけで、ゲテモノ食いは平気だったが
この鳩料理は残念でもあり、腹も立ったが
ギブアップであった。
その後時折このことを思い出す。 嫌な思い出
だったが、人に聞くでもなく、料理本などで
調べる事もなく40年以上過ぎてしまった。
去年の末からブログに思い出を綴ってきたが、
このパリの鳩料理の疑問を明らかにしようと
ネットで調べたが「臭み」があることもあるが、
それが好きな人が多いとあり、大勢は「高級で
おいしい料理」というのが定説になっており、
我が疑問はまだ解けないままである。
残る方法は、今度はネットでピジョンの料理が
旨いという評判のレストランを見つけて
食べに行ってみるしかない。 (完)