読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

咲かない蕾(つぼみ) 中編

   社交ダンス講習会で知り合った女性たち

 将来は総合商社に就職し、海外勤務を目指していたから、外国人との

付き合いで、社交ダンスは必須と考えた。

 大学3年の夏休みに、六大学の社交ダンス競技会で上位入賞した学生が

運営する講習会を見付けて、集中的に習った。

 ステップを覚えたらすぐに女性会員と踊ることが出来た。 毎回講習が

終わるころには、仲良くなる女性が見つかり、帰りは即デートとなった。

 

   (第一話)初めてのガールフレンドは看護師の卵

 彼女は高校のあと、看護学校に入学ー卒業、その上の高等看護学院在学中。

独りで来ていたようだが、さすが看護師の卵、度胸が良かった。

 寮生活だし、勉強が忙しいので、ゆっくりする時間は無く、デートは寮に

近い渋谷かせいぜい新宿の同伴喫茶。 店内は充分暗くてシートの背中も高く、

密室気分。 そこで初めてのベーゼ。 お味は別にスイートではなかったが、

行為そのものには夢中になった。

 やはり、看護師だからか、全てに大胆で積極的。 直ぐに実家に連れて行き、

家族に紹介された。

 こちらは遊びたい気分なのに、彼女は勉強が忙しく、思うようにデートに

出て来れない。それに、こちらとしても、将来、海外勤務を志しており、

彼女は保健所か民間企業の保健婦を目指していた。 お互いの将来の道が違い、

結婚は難しいのではないか。 本来、女性の方が気が付くべきなのに、彼女は

ひたすら勉強と実習で将来までは気が回らないようだった。

 こちらは暇だから、そんな彼女にいらだたしくなり、他の女性とデートした。

 やがて、彼女から時間が取れるから会いたいと連絡が来たが、正直に、会って

くれないから、他の女性に乗り換えたと返事をしたら、そのままになった。

 彼女としたら、腹も立ち、がっかりもしただろう。 然し、彼女にとっては

それで良かった筈。 幸せな結婚をして、孫も出来ているだろう。

 

     (第二話)女子大の事務員

 次のデートの相手は女子大の事務員で、且つ、キャンパス内の寮に

住んでいた。 この人も積極的で、直ぐキスをする仲になった。 

日曜に遊園地デート。帰り道に旅館の前に差し掛かり、一寸立ち止まり、

懐具合を考えたが無理と判断、素通りしたら、電車に乗ってから、彼女

「勇気ないわね」とつぶやく。

 頭にきて、あとは誘わなかった。